いま、マツダ・デザインは、ノリにノッてる!

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昨今の、マツダ車のデザインは良い。

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デミオ。大衆車にあれだけ大胆なデザインを提示して成功している!

CX7。世界一かっこいいSUV(ポルシェ・カイエンよりも)!

MPV。ミニバンとは思えないスポーティなデザイン!

マイナー後のRX8。同じく4座スポーツカーコンセプトの新型VWシロッコの1000倍いい!

3rd.ロードスター。この上質なデザインは米独のデザイナーには不可能だろう。


そして、、


新型『アテンザ』にはビックリした。

同時期に発表されたアウディA4なんかよりも、よほどデザインの出来が良い。




最近の自動車デザインは、フロントフェンダーを出っ張らせるのが流行りだ。

(画像下。フロントタイヤ(前輪)を覆う出っ張り)

とにかく、メチャメチャ流行っている。

新型クラウン、新型GTR、新型ベンツC、ベンツS、トヨタイストなど…。

これがないと最新の自動車デザインじゃない、といっていいほど流行してる。


このフロントフェンダーの出っ張りを「うまく」違和感無く処理するのは実は難しい。

ギコちなく処理され、見苦しくなってて、明らかに失敗といえるケースが多い。



この点、新型アテンザは、スポーツカー並みの張り出しを実現しているのに、

セダンとしてのたたずまいも損なわれていない。

非常に上手く処理している。大成功だ。


見ていて心地良い。

指十本を使って、ネチネチと造形を練り上げていった…そんな心地よさ。

その辺の手作業感が、伝わってくるのだ。


また、全体としてマツダ車としての独特のオリジナリティも併せ持つ。


(デザインと関係ないところでは、2500ccエンジンにMTが設定されたこと。

これは、日本で買える自動車としては「史上初!」だろう)




なぜ、昨今のマツダデザインはイイのか?



それを解く鍵が、

マツダ・デザイン本部、新型『アテンザ』チーフデザイナーの佐藤洋一さん。
(画像上)



アテンザは「大人の鑑賞眼に堪える質感を備えた、かっこ良さを表現した」とのこと。


http://response.jp/issue/2008/0329/article107534_1.html

http://response.jp/issue/2008/0327/article107443_1.html






上記の佐藤さんは、畏れながらお年を取られているようだが、

若いデザイナーへの「文鎮」のような、重みを発揮しているようだ。



若いデザイナーは、皆、勘違いしている。

「自分は他者と違う」

「独創性がある」などと。

単に絵が一般人より多少上手い、という程度にすぎないのに。



デザインは、経験がモノを言うといって間違いがない。

デザインは細かなラインや、造形などでガラリと印象が変わってくる。

また、全体としてのバランスも大事だ。

その辺のサジ加減を体得するには経験が必要なのだ。

良い料理人に修行が必要なのと同じなのである。



だから、そういう若手「勘違い」デザイナーをたしなめ、良い方向に昇華していく、

そんなデザイン指導者が、自動車デザイン会社には必要なのである。

時間はかかるがジックリ育てていったデザイナーは必ずいい仕事をするようになる。



佐藤さんは、そういう立派なデザイン指導者である。

話を聞いていると、奥が深い。

発言に、素人をごまかすような抽象的な所がない。

デザイナーとしてより、いち人間としての奥深さを感じるのである。

アウディの某日本人デザイナーとは大違いだ。


佐藤さんのような指導者の下で働いているデザイナーは、幸せだと思う。


また、マツダはデザイン決定の役員もセンスがいい人が多いようだ。

一時期、外国人社長となり、取締役会が英語でなされる、といった状況下にあった

ことが幸いしているようだ。




また、昨今のマツダデザインの一連を見ていると、

マツダデザインを取り仕切っているチーフ級の中核になっている方々が、

自分の「我」(つまりデザインで名をあげること)だけを考えずに、

マツダデザイン「zoom zoom」の方向性として統一感を持って行動していることがわかる。




シニアデザイナーの独自の修練に基づく美意識の構築。

デザインの方向性の共有。(「我」がないこと)

若手デザイナーの育成。

デザインの承認機関のセンスが良いこと。


これらすべてが上手く互いに調和を保って進行している。

これが昨今のマツダデザインが「良い」のはなぜか?という問いへの答えのようだ。