いいクルマだった。これは間違いない。
新型のP0L0 GTI。
試乗させて頂きました。
◆走り。
トレッドが、広がったこと。
この効果はデカイ。素人でもすぐ分かる。
(※トレッド…タイヤの左と右との距離。輪距という)
旧型の唯一の欠点がトレッド幅が狭いことだった。
アクセルをかけながら、上り坂になってる、ややキツめのカーブを曲がっていく…
そんなシーンで頼りない感じが露呈した。
この点、新型はトレッドが広がったことで、安定感が増した。
しかし、同時に、なんかつまらない走り味にもなった。なんでだろう?
18歳くらいの娘が、25歳になったような感じ?
そう、大人になってしまったのだ。
(別に25歳がつまらないわけではないが…、イメージとして。)
◆エンジン。
旧型の1.8リッター・ターボが、
1.4リッター・ターボ&スーパーチャージャーになった。
同乗の係員さんの了承を得て、セカンドで少しひっぱらさせてもらう。
パンチは、旧型の1.8と全く変わらない。
新型の1.4の方がむしろ「たくましい感じ」がした。まだ車体が新しいから?
しかも、5000回転までグッと来る感じが続く。
(それ以上は係員さんの手前、回せません、はい。)
かといって、旧型の1.8と載せ変えたいほどドラマチックか、というとそれほどでもない。
性能はあまり変わらないのだ。
それよりも「かなり低燃費になった」のに、同等の実力を発揮させた点が、
新型のエンジンのすごいところ、といえる。
したがって、VWのエンジニアは素晴らしい仕事をしたと思う。
パワーを維持しつつ、2割以上の低燃費を実現させたのだから。
ホンダのエンジニアに、この新型用の1.4エンジンを体験してもらって、
「ウチはもっとすごいのができるっ」と、対抗心を燃やして欲しいんですけどね。
◆DSG。
Sモードにすると、引っ張る引っ張る。
しかも、かなりエンジン回転が低下してもダウンシフトしない。
つまり、ドライバーの意思をとことん尊重し、ミスシフトに対しては自己責任を要求する。
こういうところが、男心をくすぐる。
それにしても、DSGによって、とても安楽にスポーツ走行ができてしまう。
こんなんでいいのでしょうか?
もっとも、Sモードを解除して、通常のオートマモードにすると。
ATとどこが変わらないんだろう?DSGならでは、というウリが最後まで掴めなかった。
そして、低速で緩くアクセルのオン、オフをすると、ギクシャクする。
例えば、低速で3速で走っていて、アクセルを抜いて、その後、軽くアクセル踏みなおすシーン。
そんな時、ヴォーンという音とともに2速にするか3速にするか迷っているようなギクシャク。
これは、各種の自動車サイトや、雑誌で専門家がレビューされている通りだった。
ぼくは、オートマのこの点がとてもイヤなのだ。
これがあるからマニュアル車に乗っている、といってもいいくらい。
もっとも、長くDSGと付き合っているとこの辺は上手くコントロールできるように
なるのかもしれない。
つづく。